アメリカの大学院教育のキーワードの一つ、リーダシップ(笑)。英語力のいまだ貧しい私も、グループ・ワークへの関わり方が大きく変化し、特に2年目からは、デザイン・プロジェクトのリーダーになる機会が増えてきた。自分の経験を改善すべく、同志の中でもいいリーダーだなーと思える人やこの業界の先輩を見て感じたことをここにまとめておこう。プロフェッショナルな世界では、時間や人材の適材適所といったバランス感覚よりも、その途のabilityを一番持っている人がリーダーなのかなと思うようになった。特にデザインで言うと、「形にする力」もう少し言えば「描く力」を圧倒的に持った人だと思うようになってきた。
1. ビジュアルでコミュニケーションする
絵は簡単でいい。ブレインストーミング、ディスカッションなど、どんどんとメンバーから出されるアイディアや方向性を絵にしてまとめていく。この段階では絵が上手でなくていい。言葉も記号として扱いながら、グラフや図形でもいいし、とにかく絵として意見を共有する。最終的な成果物として仕上げるものデザインという形あるものである限り、はじめの段階からビジュアルでコミュニケーションをスタートさせてプロセスを踏んでいくといい。グループワークといえど、個人が各種の政策にとりかかればそこには自ずとその人のセンスや感性が入ってくる。それらをグループとして一つにまとめるためにも、会話もビジュアルに表現していくことで、この次のステップ(製作段階)に入ったときの誤解が減らせる。デザインが他のグループワークと大きく異なることがあるとすれば、リーダー=(絵にする)書記であることだろうか。
2.ビジュアルとリンクした言葉でまとめる
1でまとめたビジュアルを言葉で言い換える。つまり、この絵は何を示していることになるのか、といったことをもっともふさわしい言葉で、端的にまとめることでディスカッションに決着をつける。メッセージ性のある言葉、明快な言葉、それらを使うだけではなくて、その言葉が1で現れたビジュアルと一致しているかどうかを確認することがポイントだと思う。ビジュアルというのは、感性とか印象で決められるかと言えばそうではない。このコンセプトにはこの表現、この色、この形でビジュアライズする、といったうようなある程度の「型」なるものがあるし、その型に沿いながら、メンバー内でビジュアルと共に言葉を共有しておくとベターなよう。後に方向性が混乱したときにも、言葉と絵に戻れる。
3. 迫力ある絵が描ける
これはプレゼンテーションに使う絵のこと。1で言うスピーディーにまとめあげた簡潔な絵(例えばコンセプトダイアグラム)とは少し異なる。デザインって最終成果として、アイディアに形を与える分野だし、その形を与える方法の一つは絵だと思う。リーダーは、メンバーのバランスを考えたり指示を行うだけでなく、実際に自分も一員としていくつかの絵を描いて仕上げることが多い。そのとき、リーダーが迫力ある絵を描けることで、チームのまとまりが全然違う。そんな空気を何度も感じてきた。絵に対するセンスとかアビリティは、メンバーからの隠れた期待感だ。グループワークの成果は、半分はやはり成果物の質で決まるし、メンバーの不安もそこにある気がしている。「この人なら、いい絵を描いてくれる!」そういうシンプルなところに最終的な信頼感が集まっている気がしてならない。
そのほかで言うと、体力があって徹夜をしない人というのもリーダー要素かも。ケース・スタディーの知識量もアイディアをストラテジーに移す段階で効果大。でもまずは、こうした「描く力」がいいリーダーといいメンバーシップを作るような気がしている。描いたビジュアルは、プロジェクトの方向性を表してくれるし、こうして見える形にすることで異なる感性を持ったメンバーが同じ方向を向いて進みやすい。そしてこの方法は、英語という言葉の壁があったとしてもビジュアル・コミュニケーションとによって、留学生でもアメリカ人の中でどんどんとリーダーシップをとれる可能性を持っている気もしている。
ま、当の本人と言えば、描く力の向上に加えて、アメリカ的リーダーというイメージからはほど遠い’緩い雰囲気’をまずはなんとかしなければならないとは一応思っている。。































by 加藤 直子
フィラデルフィアに春が来た